今月の主題 内分泌疾患の新たな展開
早期診断へのヒントと診断の進め方
腎血管性高血圧
猿田 享男
1
1慶応義塾大学・内科
pp.408-409
発行日 1985年3月10日
Published Date 1985/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402219653
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腎血管性高血圧の頻度は,集計対象の選び方により著しく異なり,0.5〜10%程度と報告されている1).これは確定診断を下すには腎血管造影の施行が必要であり,このような検査が特殊な施設に限られるため,大学病院など大きな病院では腎血管性高血圧の診断頻度が高くなるためである.それゆえ,全高血圧患者に対する腎血管性高血圧患者の実際の比率を推定することは困難であるが,おそらく1〜2%と思われる.
このような腎血管性高血圧の頻度は低いものの,原発性アルドステロン症や褐色細胞腫,等の二次性高血圧と同様,早期発見,早期治療により完全に治しうるので,高血圧患者の診察に当たっては,常に考慮していなければならない疾患である.
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