Japanese
English
TOPICS 神経精神医学
情動と手綱核
The habenula:key to the neural substrate of emotion
久良木 悠介
1
Yusuke KYURAGI
1
1京都大学大学院医学研究科脳病態生理学講座精神医学
pp.1178-1179
発行日 2025年12月27日
Published Date 2025/12/27
DOI https://doi.org/10.32118/ayu295121178
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情動
外界からの刺激がヒト脳へ入力されると,記憶や意思決定などの認知(cognition)と情動(emotion)の複雑な相互作用が生じ,その結果,必要に応じた行動が惹起される.やや簡略化されたスキーマではあるが,この観点からしても情動は,ヒトが社会生活を適切に営むうえで重要な生理的システムである.情動の神経基盤は古くから研究されたが,特に1990年代の機能的MRIが登場してからは,ヒト脳における研究が盛隆し,多くの知見が集積した.機能的MRIは特定の課題で生じる脳機能の変化を,脳活動に伴う二次的な脳血流変動として可視化できる手法である.基本的情動(喜びや不安など)を呈する表情写真を視覚刺激に用いた単純な課題のみならず,恥や嫉妬などの社会的情動を惹起する動画を用いた複雑な課題まで,撮像中に被検者へ刺激として提示することで,ヒトの持つ高次の情動の神経基盤へのアプローチが可能となっている.これまでの研究から,情動の神経基盤には多くの脳部位が関与すると想定されているが,特に重要な部位は大脳辺縁系と前頭葉(内側前頭前野,眼窩前頭前野)であろう.特に,大脳辺縁系に属する扁桃体は,恐怖や不安などの関連が有名であり,情動反応および情動記憶に関連することが明らかになっている1).
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