Japanese
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特集 神経系による呼吸・循環調節――ホメオスタシスとアロスタシスによる制御
外側手綱核が制御するストレス性循環調節機構
Neural regulation by the lateral habenula in the stress-related cardiovascular control
佐藤 優真
1,2
,
小金澤 禎史
1
Yuma SATO
1,2
,
Tadachika KOGANEZAWA
1
1筑波大学医学医療系神経生理学
2東北大学病院臨床研究推進センター(CRIETO)開発推進部門
キーワード:
外側手綱核
,
ストレス
,
血液循環
,
ドパミン
,
セロトニン
Keyword:
外側手綱核
,
ストレス
,
血液循環
,
ドパミン
,
セロトニン
pp.299-303
発行日 2025年10月25日
Published Date 2025/10/25
DOI https://doi.org/10.32118/ayu295040299
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外側手綱核は負の情動やストレスに応答して,中脳領域の神経活動を調節する脳領域として知られている.近年,外側手綱核が情動に伴う行動や学習への関与にとどまらず,自律神経系の調節にも関与することが示されている.動物実験では,外側手綱核の興奮によって心拍数や血圧といった循環調節に影響を及ぼすことが報告されている.外側手綱核からの出力は,中脳ドパミン領域である腹側被蓋野を介して,延髄に存在する循環中枢を調節することで,循環応答を制御する可能性がある.本稿では,これまでの外側手綱核とストレスに関連した研究を概観し,外側手綱核によるモノアミン神経系制御を介した自律神経制御機構に関する知見を概説する.

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