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特集 精神疾患の病理機構
うつ病の病態生理における手綱核神経回路の役割
Role of the habenula in pathophysiology of the depression
相澤 秀紀
1,2
,
崔 万鵬
1
,
田中 光一
1,2,3
,
岡本 仁
3,4
Aizawa Hidenori
1,2
,
Cui Wanpeng
1
,
Tanaka Kohichi
1,2,3
,
Okamoto Hitoshi
3,4
1東京医科歯科大学 難治疾患研究所 分子神経科学分野
2東京医科歯科大学 脳統合機能研究センター
3戦略的創造研究推進事業 科学技術振興機構
4理化学研究所 脳化学総合研究センター 発生遺伝子制御研究チーム
pp.12-15
発行日 2014年2月15日
Published Date 2014/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425101569
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うつ病は生涯有病率6.5%と広くみられる疾患であり,社会的・物理的ストレスにより増悪する代表的な精神疾患である。しかし,うつ病の症状は意欲低下や食欲低下,不眠など多岐にわたるため,その病態生理の分子的解明は進んでいない。
近年の機能画像研究やうつ病動物モデルを用いた研究から,手綱核のうつ病病態における役割が注目を集めている。手綱核は進化的に高度に保存された脳部位であり,セロトニンやドーパミンなどモノアミン神経系の制御中枢として知られてきた1)。一方,抗うつ薬におけるモノアミン神経系賦活作用などから,モノアミンのうつ病病態への関与はこれまで数多く報告されている2)。
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