血液学的irAEの診断と治療，およびirAE管理における血液内科医の役割

Diagnosis and treatmet of hematologic irAE, and the role of hematologists in irAE management

　血液学的irAE（免疫関連有害事象）は，他臓器に発現するirAEと比較すると非常にまれであり，免疫原性血小板減少性紫斑病（ITP），溶血性貧血，再生不良性貧血などとして生じることがある．しかし，血球貪食症候群（HLH），血栓性血小板減少性紫斑病（TTP）のように致命的になりうるものも報告されている．血液学的irAEの診断・治療は，非irAEの免疫関連血液疾患に準じることが基本であるが，治療の適正化や病態の解明はなされていない．本稿では，血液学的irAEの発現状況，免疫チェックポイント阻害薬（ICI）投与中の血液毒性に関する診断・治療について述べる．加えて，irAE治療中の全身管理，サイトカイン放出症候群（CRS）の対応など，血液内科医が果たす役割について，当院の取り組みを踏まえて検討する．