Japanese
English
第1土曜特集 免疫関連有害事象(irAE)対策について非腫瘍医が知っておきたいミニマム・エッセンス
各論
ICIによる眼のirAE
-――ぶどう膜炎を中心に
irAE of the eye associated with ICI
福島 直樹
1
,
松宮 亘
1
Naoki FUKUSHIMA
1
,
Wataru MATSUMIYA
1
1神戸大学大学院医学研究科外科系講座眼科学分野
キーワード:
眼有害事象
,
ぶどう膜炎
,
免疫寛容
Keyword:
眼有害事象
,
ぶどう膜炎
,
免疫寛容
pp.1033-1039
発行日 2025年12月6日
Published Date 2025/12/6
DOI https://doi.org/10.32118/ayu295101033
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
免疫チェックポイント阻害薬(ICI)は悪性腫瘍の治療成績を大きく改善した一方で,免疫関連有害事象(irAE)を引き起こすことが知られている.irAEは全身に多彩な病態を呈し,眼も例外ではない.報告頻度は全体の1~10%とされ,ドライアイやぶどう膜炎が代表的である.なかでもぶどう膜炎は発症率こそ約1%前後と高くはないが,視力予後や治療継続に直結する重大な合併症であり,ICI投与開始から比較的早期に出現することが多い.臨床像は前部ぶどう膜炎から汎ぶどう膜炎まで多彩で,重症例では不可逆的な視機能障害を残す可能性がある.治療は重症度に応じて点眼から全身ステロイドまで段階的に行い,Grade 3以上ではICIの中止が必要とされる.眼有害事象は他のirAEの先行サインとなることもあるため,ICI治療中の患者が疼痛や視力低下はもちろん,眼の違和感など軽度の症状を訴えた場合でも,治療開始後に新たに出現した症状であれば速やかな眼科紹介が望まれる.

Copyright © 2025 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.

