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第1土曜特集 免疫関連有害事象(irAE)対策について非腫瘍医が知っておきたいミニマム・エッセンス
総論
irAEを疑ったときの最初の一手
-――主治医ではない医師が時間外外来,救急外来などで対応を迫られたとき
The first thing to do when you come across a patient with suspected irAE
大山 優
1
Yu OYAMA
1
1亀田総合病院腫瘍内科
キーワード:
免疫関連有害事象(irAE)
,
徴候
,
サイトカイン放出症候群(CRS)
,
免疫細胞関連神経毒性症候群(ICANS)
Keyword:
免疫関連有害事象(irAE)
,
徴候
,
サイトカイン放出症候群(CRS)
,
免疫細胞関連神経毒性症候群(ICANS)
pp.956-960
発行日 2025年12月6日
Published Date 2025/12/6
DOI https://doi.org/10.32118/ayu295100956
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免疫関連有害事象(irAE)の初期治療で大切なことは,「irAEかもしれない」と思うことである.irAEは全身のあらゆる臓器に生じうるので,症状は多彩である.しかし,どの患者に,いつ,どの臓器と組織に対して,どの程度のirAEが生じるのかのリスク因子はわかっていない.皮疹,下痢,神経筋症状などがあれば見逃すことは少ないが,倦怠感などの非特異的症状で発症する場合,初期にirAEであるとは気づかないことがある.また,肝炎,胆管炎,腎炎,血球の異常,内分泌障害,軽度の間質性肺炎,軽度の心筋障害などは,初期には無症状のことが多い.そのため筆者らは,ルーチンフォロー中でも定期的に,後述するirAEの早期発見のためのワークアップ検査を施行している.「いかなる症状でもirAEの可能性がある」と考え,免疫チェックポイント阻害薬(ICI)を含む免疫療法を受けている患者を診察する機会があった場合には,irAEの可能性について詳細に追求していく必要がある.また,安易な経過観察は致死的な結果を招く可能性があることを知っておく必要がある.ポイントとして,ICI治療中の患者が新たな症状を訴えてきたら “irAEの初期症状” である可能性を念頭に置いて精査する.

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