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特集 造血幹細胞研究の革新と臨床応用への挑戦
造血研究を支えるヒト化マウスの開発
Development of humanized mice in hematopoietic research
伊藤 亮治
1
Ryoji ITO
1
1公益財団法人実中研ヒト化モデル研究部ヒト疾患モデル研究室室長
キーワード:
免疫不全マウス
,
造血幹細胞(HSC)
,
次世代ヒト化マウス
,
ヒト疾患モデル
Keyword:
免疫不全マウス
,
造血幹細胞(HSC)
,
次世代ヒト化マウス
,
ヒト疾患モデル
pp.653-657
発行日 2025年11月22日
Published Date 2025/11/22
DOI https://doi.org/10.32118/ayu295080653
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ヒト造血系は,造血幹細胞(HSC)を起点として生涯にわたり血球を供給し続ける,生体にとって不可欠なシステムである.HSCは極めて希少であり,体外での長期的な分化培養や増幅培養が困難であるため,造血研究や臨床応用のためには適切な動物モデルの存在が不可欠であった.そのなかでも,ヒトHSCを免疫不全マウスに移植して作製する “ヒト化マウス(humanized mouse)” は,ヒト造血・免疫系の発生,分化,および疾患機構の解析において極めて重要な役割を果たしてきた.近年では,宿主免疫不全マウスにおけるHSCニッチの改変や,ヒト造血系サイトカイン遺伝子の導入,さらには移植前にヒトHSCを体外で増幅させる技術の進歩により,より洗練され,かつ汎用性の高いヒト化マウスモデルの開発が進んでいる.本稿では,in vivo造血研究の基盤となるヒト化マウスについて,その国内外における開発動向と応用例を概説する.

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