鏡下咡語
ヒト化にからまるニオイとセックス
高橋 良
1
1東京慈恵会医科大学
pp.720-721
発行日 1982年9月20日
Published Date 1982/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492209495
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私は本誌50巻2号(1978年2月)の本欄に「鼻の曲りと文化の曲り」ということを書いてみた。今度はその続きという訳ではないが,前回の内容を展開発展させたその後の考えを述べてみたい。
前回の論旨の中心となるものは,われわれの鼻の異常が,旧人段階から新人段階に移る際に起こった脳頭蓋と顔面頭蓋との著明な改構,機転に由って生じ,この鼻の異常の起こる同じ頃に,文化的にも新人の文化文明が,それ以前の旧人までの文化とは質量ともに違ったものが生まれてきたので,この旧人から新人に進化する時の鼻の異常と文化の違いとを,「鼻の曲りと文化の曲り」と表現したのであった。
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