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第1土曜特集 エピゲノム編集の進歩と医療応用への道
CRISPR活性化スクリーニングを活用した骨髄系腫瘍に対するデシタビン作用機序の解析
Mechanistic analysis of decitabine action in myeloid tumors using CRISPR activation screening
藪下 知宏
1
,
合山 進
1
Tomohiro YABUSHITA
1
,
Susumu GOYAMA
1
1東京大学大学院新領域創成科学研究科先進分子腫瘍学分野
キーワード:
CRISPR活性化スクリーニング
,
SunTagシステム
,
デシタビン
,
骨髄系腫瘍
,
有糸分裂
Keyword:
CRISPR活性化スクリーニング
,
SunTagシステム
,
デシタビン
,
骨髄系腫瘍
,
有糸分裂
pp.462-468
発行日 2025年11月1日
Published Date 2025/11/1
DOI https://doi.org/10.32118/ayu295050462
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CRISPRa-SunTagシステムは,dCas9のDNA標的化能力とタンパク質タグによる分子集中化を組み合わせることで,転写活性化因子VP64を標的遺伝子のプロモーター領域に効率的に誘導し,標的遺伝子の発現を活性化する技術である.本研究では,このシステムを骨髄系腫瘍細胞に導入し,全ゲノムCRISPR活性化スクリーニングを実施することで,DNAメチル化阻害薬デシタビンの治療抵抗性に関与する遺伝子を探索した.その結果,有糸分裂制御因子が治療抵抗性に関与していることが明らかになった.さらに詳細な解析により,デシタビンがDNA脱メチル化作用ではなく,DNA上にトラップされたDNMT1を介して有糸分裂を直接的に阻害することが判明した.本稿では,CRISPRa-SunTagシステムを用いたCRISPR活性化スクリーニングの利点を解説するとともに,デシタビンの真の作用機序について考察する.

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