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第1土曜特集 エピゲノム編集の進歩と医療応用への道
骨軟部肉腫のエピゲノム異常を標的としたエピゲノム編集治療の展望
CRISPR-mediated epigenome editing for precision therapy in sarcomas:future perspectives
田中 美和
1
Miwa TANAKA
1
1がん研究会がん研究所がんエピゲノム研究部
キーワード:
肉腫
,
融合遺伝子
,
エピゲノム異常
,
エピゲノム編集治療
,
CRISPR-dCas9
Keyword:
肉腫
,
融合遺伝子
,
エピゲノム異常
,
エピゲノム編集治療
,
CRISPR-dCas9
pp.454-461
発行日 2025年11月1日
Published Date 2025/11/1
DOI https://doi.org/10.32118/ayu295050454
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エピゲノム編集における最近の技術の進歩は,がんの発生や悪性化メカニズムの解明,薬剤耐性に関する標的分子の同定,さらに治療法の開発研究を大きく前進させるものになっている.骨軟部肉腫では,疾患特異的なゲノム変異がいくつも同定されている.特に代表的なのは,融合遺伝子や転写制御関連遺伝子の異常,さらにヒストン遺伝子の変異,DNAメチル化制御に関わる分子の異常で,これらはそれぞれ特徴的なエピゲノム異常を誘引し,肉腫の発生と進展に密接に関わっている.こうしたエピゲノム異常に依存度が高い肉腫は,その裏返しとしてエピゲノム異常が弱点になりうる.エピゲノム編集治療は,まさにこの弱点を突く革新的な治療戦略で,がん治療の新時代を切り拓くと期待される.

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