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第1土曜特集 エピゲノム編集の進歩と医療応用への道
AMLに対するエピゲノム編集治療の開発
Development of epigenome editing therapy for acute myeloid leukemia
角南 義孝
1
,
中村 卓郎
1
Yoshitaka SUNAMI
1
,
Takuro NAKAMURA
1
1東京医科大学医学総合研究所未来医療研究センター実験病理学部門
キーワード:
急性骨髄性白血病(AML)
,
エピゲノム編集
,
スーパーエンハンサー(SEs)
,
CRISPR/dCas9システム
Keyword:
急性骨髄性白血病(AML)
,
エピゲノム編集
,
スーパーエンハンサー(SEs)
,
CRISPR/dCas9システム
pp.427-431
発行日 2025年11月1日
Published Date 2025/11/1
DOI https://doi.org/10.32118/ayu295050427
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急性骨髄性白血病(AML)は,分化障害を伴う異常な骨髄細胞の増殖を特徴とする造血器腫瘍である.近年,エピゲノム異常がその病態に深く関与することが明らかとなり,なかでもヒストン修飾やスーパーエンハンサー(SEs)の制御破綻が,発症や悪性化に寄与する点が注目されている.これらを標的とする治療薬もこれまでに開発されてきたが,標的特異性や副作用といった課題が残されている.CRISPR/dCas9を基盤とするエピゲノム編集技術は,転写因子やエンハンサーなど,従来 “undruggable” とされてきた標的を制御し,遺伝子発現を精密かつ可逆的に操作する新たな手法である.AMLに対する新規治療アプローチとして臨床応用される可能性が高く,将来的には革新的な治療選択肢としての実用化が期待される.

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