Japanese
English
特集 脳と個性
Ⅲ.“個性”の実験的理解
エピゲノムと“個性”
Epigenome and “individuality”
渡邉 紗羽
1
,
中嶋 秀行
1
,
中島 欽一
1
Watanabe Sawa
1
,
Nakashima Hideyuki
1
,
Nakashima Kinichi
1
1九州大学大学院医学研究院応用幹細胞医科学部門基盤幹細胞学分野
キーワード:
エピジェネティクス
,
DNAメチル化
,
ヒストン修飾
,
MeCP2
,
レット症候群
,
レトロトランスポゾン
,
LINE1
Keyword:
エピジェネティクス
,
DNAメチル化
,
ヒストン修飾
,
MeCP2
,
レット症候群
,
レトロトランスポゾン
,
LINE1
pp.57-62
発行日 2024年2月15日
Published Date 2024/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425201815
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ヒトの個性はどのようにして決まるのだろうか。われわれヒトを含む生物は,遺伝子情報に基づいてその生命体を構成・維持している。しかし,ヒトの個性を決めるのは単に遺伝子情報だけではない。がん家系に生まれた人でも,お酒やたばこを控えるなど周囲の環境を改善することでがんにならずに済む人もいる。近年,われわれの体を構成する細胞には,DNAの配列変化を伴わずに,遺伝子発現の強弱あるいはオン/オフを制御するしくみが存在しており,その制御は環境要因によって動的に変化することが科学的に明らかになってきた。この制御を“エピジェネティクス”と呼び,遺伝子配列情報だけでは理解できない事象を理解するために非常に重要である。本稿ではエピジェネティクスの概要と,それが生み出すと考えられる個性について紹介する。
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