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第1土曜特集 エピゲノム編集の進歩と医療応用への道
アルツハイマー型認知症に対するエピゲノム編集治療の可能性
Therapeutic potential of epigenome editing for Alzheimer’s dementia
斉藤 史明
1
,
田中 園子
1
Fumiaki SAITO
1
,
Sonoko TANAKA
1
1帝京大学医学部脳神経内科
キーワード:
アルツハイマー型認知症(AD)
,
アミロイド前駆体タンパク質(APP)
,
アミロイドβ(Aβ)
,
タウ
,
エピゲノム編集
Keyword:
アルツハイマー型認知症(AD)
,
アミロイド前駆体タンパク質(APP)
,
アミロイドβ(Aβ)
,
タウ
,
エピゲノム編集
pp.439-444
発行日 2025年11月1日
Published Date 2025/11/1
DOI https://doi.org/10.32118/ayu295050439
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世界的な超高齢社会の到来とともに,認知症の有病率は増加の一途をたどっている.認知症の原因疾患としては種々の疾患があげられるが,その60%以上を占めるのがアルツハイマー型認知症(AD)である.近年,本症に対して疾患修飾薬の使用が開始されたもののその治療効果は十分とはいえず,さらなる根本的治療法の開発が望まれている.一方で,CRISPR-Cas9をベースとした遺伝子編集技術が急速なスピードで進歩を遂げ,疾患治療への応用に向けて大きな期待が寄せられている.これまでにADの主要な発症機序として,2つの主要な分子病態,すなわちアミロイドβ(Aβ)と異常リン酸化タウの蓄積が明らかにされてきた.本稿では,遺伝子編集のなかでもエピゲノム編集に焦点をあて,これによるAβやタウをターゲットとした治療の可能性,そして今後,克服されるべき問題点について考えていきたい.

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