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第1土曜特集 エピゲノム編集の進歩と医療応用への道
ゲノム・エピゲノム編集を最適化するガイドRNAの設計戦略
Guide RNA design strategies for precision genome and epigenome editing
川又 理樹
1
,
鈴木 淳史
1
Masaki KAWAMATA
1
,
Atsushi SUZUKI
1
1九州大学生体防御医学研究所器官発生再生学分野
キーワード:
ガイドRNA(gRNA)
,
ファインチューニング
,
医療応用
Keyword:
ガイドRNA(gRNA)
,
ファインチューニング
,
医療応用
pp.382-387
発行日 2025年11月1日
Published Date 2025/11/1
DOI https://doi.org/10.32118/ayu295050382
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CRISPR-Cas9をはじめとするゲノム編集技術は,簡便かつ高効率な遺伝子改変を可能にし,生命科学研究からバイオテクノロジー,さらには医療応用に至るまで爆発的に普及してきた.その背景には,Casタンパク質とgRNAの両面における改良が積み重ねられ,細胞に対する編集効率や特異性が最適化されてきた経緯がある.しかし,これまでgRNAはCasの標的誘導を担う “案内役” として,あくまで補助的な存在として認識されることが多かった.ところが近年,gRNAそのものに対するユニークな改変技術が相次いで報告され,編集効率や安全性を大きく左右する重要因子としての地位が急速に高まりつつある.今後,gRNA改変技術がさらに発展すれば,疾患特異的変異の精密な塩基修復やエピゲノムの微細なチューニングを患者ごとに最適化する “オーダーメイド型ゲノム医療” の実現につながり,産業応用の観点からも極めて重要な役割を担うと期待される.

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