Japanese
English
特集 AIにより加速する生体分子デザイン
Ⅳ.機能核酸デザイン
AIを活用したmRNA配列の最適化
AI-based mRNA sequence optimization
佐藤 健吾
1
Sato Kengo
1
1東京科学大学生命理工学院
キーワード:
コドン最適化
,
コドン調和化
,
mRNA安定性
,
UTR最適化
,
AI技術
Keyword:
コドン最適化
,
コドン調和化
,
mRNA安定性
,
UTR最適化
,
AI技術
pp.164-168
発行日 2025年4月15日
Published Date 2025/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.037095310760020164
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
近年,mRNAを活用した医薬品やバイオものづくりへの関心が急速に高まっている。mRNA医薬は,体内の細胞に直接mRNAを導入することによって目的のタンパク質を合成させ,疾患の治療や予防を行うものである。既存のタンパク質医薬に比べ,mRNAを用いた手法は製造プロセスの効率化や開発期間の短縮,柔軟なデザインが可能な点など,様々な優位性が期待されている。更に,バイオものづくりの領域では,微生物などの宿主細胞に外来性mRNAもしくはDNAを導入し,産業的に有用なタンパク質や代謝産物を高生産する技術が追求されている。
mRNA医薬やバイオものづくりの成功を左右する要素の一つが,“mRNA配列の最適化”である。mRNAは,コドン配列を通してタンパク質のアミノ酸配列を指定するだけでなく,mRNA分子の安定性や翻訳効率,更には細胞内での挙動(局在や免疫感知など)にも大きな影響を及ぼす。そのため,mRNA配列をいかに最適化するかによって,生成されるタンパク質の品質・量,そして治療効果や工業的生産性が大きく変わり得る。

Copyright © 2025, THE ICHIRO KANEHARA FOUNDATION. All rights reserved.