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はじめに
「非定型抗精神病薬」は,精神分裂病の薬物療法において,現在重要な位置を占めている。すでに,数種類の「非定型抗精神病薬」が臨床導人されている欧米諸国では,初期治療における第一選択薬としてだけではなく,治療抵抗性分裂病に対する有用性も注目されてきた。
しかしながら,「非定型抗精神病薬」の概念は歴史的な変遷を経るうちに,次第に曖昧になりつつある。そもそもは,1970年代に登場したclozapineが臨床的に明確な抗精神病作用を示しながらも錐体外路系副作用がほとんどないこと,行動薬理学的にもカタレプシー作用を欠いていることから,既存の古典的抗精神病薬の概念に当てはまらないことを指摘されたのが始まりであった30)。その後,錐体外路系副作用の少ないsulpiride, thioridazineを加えた3剤は,古典的な抗精神病薬と比べて黒質線条体系よりも中脳辺縁系により強いドパミン遮断作用を有することが見出されたことから,「非定型抗精神病薬」として区別されるようになった1)。
On the basis of clinical criteria, an atypical neuroleptic is defined as a drug that has efficacy in treating both positive and negative symptoms of schizophrenia, has a low propensity to cause extrapyramidal side effects and tardive dyskinesia, and causes a small elevation of serum prolactin levels. It is likely that no single hypothesis explains why a particular drug behaves as an atypical neuroleptic.
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