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第5土曜特集 細胞死のすべて――そのメカニズムと,生命現象・疾患との関わり
さまざまな細胞機能と細胞死
核小体ストレスによる細胞死と病態
Nucleolar stress-initiated cell death and disease
前濱 朝彦
1
,
西尾 美希
1
,
鈴木 聡
1
Tomohiko MAEHAMA
1
,
Miki NISHIO
1
,
Akira SUZUKI
1
1神戸大学大学院医学研究科分子細胞生物学分野
キーワード:
ストレス
,
核小体
,
リボソーム
Keyword:
ストレス
,
核小体
,
リボソーム
pp.396-402
発行日 2022年10月29日
Published Date 2022/10/29
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28305396
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細胞は,ホメオスタシスを維持するためにさまざまなストレスに応答するシステムを備えている.核小体で行われるリボソーム生合成は,細胞内エネルギーの約80%を消費する重要なプロセスである.リボソーム生合成の異常は核小体ストレスとよばれ,細胞はこのストレスに対して,主にがん抑制因子p53活性化を介した細胞周期停止,あるいは細胞死誘導を惹起して対応する.近年,核小体ストレスが多様な要因によって引き起こされることが明らかにされ,またその応答シグナルの分子機構も徐々に解き明かされてきた.本稿では,核小体シグナルの分子機構についての最近の知見をまとめるとともに,核小体ストレス応答の異常を主因とするリボソーム病の分子病態について,最近の知見も紹介する.
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