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第1土曜特集 生体システムのレジリエンス――神経–免疫–内分泌連関から探る適応と修復のメカニズム
臓器インタラクトミクスの可視化
Visualizing the organ interactome
――Multimodal 3D imaging and systems analysis
田井中 一貴
1
Kazuki TAINAKA
1
1新潟大学脳研究所システム脳病態学分野
キーワード:
臓器インタラクトミクス
,
組織透明化・3Dイメージング
,
神経回路マッピング
Keyword:
臓器インタラクトミクス
,
組織透明化・3Dイメージング
,
神経回路マッピング
pp.46-52
発行日 2025年10月4日
Published Date 2025/10/4
DOI https://doi.org/10.32118/ayu295010046
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生体内の臓器は互いに神経系,免疫系,脈管系を介して情報伝達し,生体システムの恒常性維持やレジリエンスの基盤を構築している.このような臓器インタラクトミクスの全体像を描出するため,組織透明化・3Dイメージングをはじめとして,ウイルスによる神経回路マッピング,網羅的な一細胞遺伝子発現解析,光操作技術,生体内カルシウムイメージングといった先端技術が用いられている.これらの技術を複合的に応用することで,心拍や糖代謝をつかさどる特定の神経回路,脳炎症時における頭蓋骨骨髄から髄膜への免疫細胞の新たな侵入経路,さらに迷走神経が3つのコード(臓器,組織層,刺激の種類)を多元的に符号化して情報を伝達する仕組みなど,これまで解明が困難であった生命現象が次々と明らかになりつつある.本稿では,これらの最先端イメージング技術および解析技術を紹介するとともに,それらを用いて解明が進みつつある臓器間ネットワーク機能の最前線について解説する.

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