特集 ターゲット・オブ・mTOR:明らかになるmTORの標的分子と生理機能
mTORによる糖・脂質代謝制御とその異常
萩原 麻美
1
1味の素製薬創薬研究センター探索研究所 創薬薬理研究室
キーワード:
シグナルトランスダクション
,
肝臓
,
脂質代謝
,
脂肪組織
,
膵臓
,
代謝性疾患
,
糖尿病
,
肥満
,
骨格筋
,
ノックアウトマウス
,
糖代謝
,
分子標的治療
,
TOR Serine-Threonine Kinases
,
Mechanistic Target of Rapamycin Complex 2
,
Mechanistic Target of Rapamycin Complex 1
Keyword:
Adipose Tissue
,
Mechanistic Target of Rapamycin Complex 1
,
Mechanistic Target of Rapamycin Complex 2
,
Diabetes Mellitus
,
Metabolic Diseases
,
Liver
,
Obesity
,
Pancreas
,
Signal Transduction
,
Mice, Knockout
,
Muscle, Skeletal
,
Carbohydrate Metabolism
,
Lipid Metabolism
,
TOR Serine-Threonine Kinases
,
Molecular Targeted Therapy
pp.1330-1338
発行日 2012年11月22日
Published Date 2012/11/22
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近年,個体におけるmTORシグナルの生理機能を明らかにするために,組織特異的にmTORシグナル機能を欠損させたマウスを用いた解析が進められている.そこから明らかになってきたのはmTORC1とmTORC2の糖,脂質,エネルギー代謝制御における重要な役割である.また,肥満や糖尿病などの代謝性疾患では,過栄養によるmTORC1の異常な活性化がインスリン抵抗性に関わるとされ,mTORC1を治療標的とする可能性が指摘されている.ところが,mTORシグナルは複雑なネットワークを築いており,これを阻害することによる弊害も見えてきている.今後はmTORシグナルの生理機能を正しく理解し,適切な治療戦略に役立てることが期待される.
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