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第5土曜特集 循環器病学の未来──基本計画から考える循環器病学のグランドデザイン
慢性炎症・多臓器連関・メカニカルストレスから捉える循環器疾患
自律神経ネットワークの異常が心血管制御を破綻させる
Autonomic nerve disturbance might be central mechanism of HFrEF and HFpEF
藤生 克仁
1
Katsuhito FUJIU
1
1東京大学大学院医学系研究科先進循環器病学
キーワード:
交感神経
,
迷走神経
,
臓器間ネットワーク
Keyword:
交感神経
,
迷走神経
,
臓器間ネットワーク
pp.1271-1277
発行日 2022年12月31日
Published Date 2022/12/31
DOI https://doi.org/10.32118/ayu283141271
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心血管は多臓器と神経・免疫系を介して連携し,恒常性が維持される.特に自律神経が循環制御を行い,全身の恒常性維持を行っていること,心不全では自律神経が異常に活性化していることはよく知られており,β遮断薬が標準治療であることからも理解しやすい.しかし,収縮機能が保たれた心不全(HFpEF)ではβ遮断薬に効果が認められないのはなぜか,SGLT2阻害薬では効果がみられるのはなぜかなど,最近の臨床知見をみると再度,自律神経について再考し,また新しい解析技術などを使って新たな脳神経系を介した循環制御を考える時期にきていると思われる.本稿は,いまだあまり自律神経についての知見の少ないHFpEFに焦点を当て既知な所見をまとめ,今後解明すべき不明な点について予想も多分に含んだ内容とした.不明な点が多いHFpEFにおいて,今後の研究の端緒になれば幸いである.
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