連載 ケースから学ぶ臨床倫理推論・15
人工透析の中止
三浦 靖彦
1
Yasuhiko MIURA
1
1岩手保健医療大学臨床倫理研究センター
キーワード:
透析終了
,
事前指示
,
アドバンス・ケア・プランニング
,
保存的腎臓療法(CKM)
Keyword:
透析終了
,
事前指示
,
アドバンス・ケア・プランニング
,
保存的腎臓療法(CKM)
pp.189-195
発行日 2025年7月12日
Published Date 2025/7/12
DOI https://doi.org/10.32118/ayu294020189
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Case シャント不良で作成術を繰り返しており,「もう透析はしたくない」と言い出した患者のケース
65歳女性.糖尿病性腎症を原疾患として,7年前に透析を導入された.糖尿病を原疾患としているため全身の動脈硬化が強く,前腕内シャントの閉塞を7年間に3回繰り返しており,左前腕,左肘部,右前腕に順次内シャント作成術を行い,現在は右肘部で作成した内シャントで透析を行っている.この2カ月間,血流の確保が難しく,人工血管による内シャントを作成するか,鎖骨下静脈等への長期留置カテーテル挿入を提案されたが,本人は「もう痛い思いはしたくないので,今の内シャントが閉塞したら,それで透析を終わりにしたい」と言ってきた.

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