特集 透析患者の認知症―診断・予防・治療・見合わせ・CKM
14.認知症透析患者に対する透析終了と保存的腎臓療法(CKM)
小坂 志保
1
,
酒井 謙
2
1東邦大学看護学部看護学科
2 東邦大学医学部医学科腎臓学講座
キーワード:
認知症透析患者
,
透析終了
,
保存的腎臓療法
Keyword:
認知症透析患者
,
透析終了
,
保存的腎臓療法
pp.1678-1683
発行日 2022年12月10日
Published Date 2022/12/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000002405
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本邦の透析患者は高齢化ならびに,種々の認知症発症リスクが絡み合い透析患者の認知症合併率は高い水準であり,念頭においておくべき重要な合併症である.認知症透析患者には,認知機能低下やそれに伴う身体機能低下などの問題に加え,自己管理能力の低下や透析関連事故発生の増加などの精神社会的問題を抱え,とくに自己意思決定能力の喪失が大きな問題である.認知症透析患者の透析終了については2020年以降,提言やガイドが発刊され,保存的腎臓療法(CKM)が注目されている.透析の見合わせについて検討する状態を正しく判断し,身体的・精神社会的側面からアセスメントし,本人・家族を最大限尊重し,医療者とともに共同意思決定していくことが求められる.しかしながら,本邦におけるCKMは現状では体制が十分に整備されているとはいえず,今後の整備と充実化が求められる.
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