特集 透析医療を巡る臨床倫理の側面
6.透析の不開始・中止の倫理的問題
堂囿 俊彦
1
,
竹下 啓
2
1静岡大学大学院人文社会科学研究科
2東海大学医学部基盤診療学系医療倫理学領域
キーワード:
人生の最終段階
,
シェアード・ディシジョン・メイキング
,
アドバンス・ケア・プランニング
,
持続的生命維持治療
,
断続的生命維持治療
Keyword:
人生の最終段階
,
シェアード・ディシジョン・メイキング
,
アドバンス・ケア・プランニング
,
持続的生命維持治療
,
断続的生命維持治療
pp.1294-1299
発行日 2024年9月10日
Published Date 2024/9/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000003149
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透析の不開始・中止を含む生命維持治療の不開始・中止は,医療倫理において長く議論されてきた.その結果,不開始・中止は,「本人の意思」と「人生の最終段階」という二つの条件のもとで許容されるようになっている.そのため,これらを,「安楽死」という禁止されている行為と同じ表現で呼ぶことや,「尊厳死」といった曖昧な言葉で呼ぶことは避けるべきである.ただし,不開始・中止は患者の死につながるため,実際に判断する際には慎重な対応が求められる.具体的には,倫理コンサルテーションも活用しながら,多専門職種や家族等を含む関係者が丁寧に話し合い,その過程を適切に記録する必要がある.
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