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English
第1土曜特集 大変革期のリハビリテーション治療と拡大する守備範囲
治療技術の進化
外傷性脳損傷に対する幹細胞治療
Cell therapy against traumatic brain injury
川堀 真人
1
,
藤村 幹
1
Masahito KAWABORI
1
,
Miki FUJIMURA
1
1北海道大学大学院医学研究院脳神経外科
キーワード:
外傷性脳損傷
,
再生医療
,
細胞治療
Keyword:
外傷性脳損傷
,
再生医療
,
細胞治療
pp.25-29
発行日 2025年7月5日
Published Date 2025/7/5
DOI https://doi.org/10.32118/ayu294010025
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交通事故や転落などによる外傷性脳損傷に対して,障害を改善させる有効な治療法は存在せず,多くの患者が後遺症に苦しんでいる.そのようななか,幹細胞を用いた新規治療法の開発に大きな期待が寄せられている.近年,間葉系幹細胞を中心とした細胞治療,再生医療が動物を主とした基礎研究を経て,ヒトを対象とした臨床研究,そして臨床応用の段階へと入ってきている.良好な臨床研究の結果をもとに,2024年には外傷性脳損傷治療薬アクーゴ®(他家間葉系幹細胞,脳内投与)が,わが国において世界に先駆け,再生医療等製品として条件及び期限付承認を得ている.本稿では,中枢神経疾患に対する幹細胞の特徴,作用機序,最近発表されたアクーゴ®の臨床試験の成績とその他の臨床試験の結果,および細胞治療の課題について報告する.

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