Japanese
English
特集 レーザー医学の最前線――知られざる現状とその新展開
がんの近赤外光線免疫療法
Near infrared photoimmunotherapy of cancer
小林 久隆
1,2
Hisataka KOBAYASHI
1,2
1米国国立がん研究所分子イメージング部門
2関西医科大学附属光免疫医学研究所
キーワード:
がん
,
近赤外光線免疫療法(NIR-PIT)
,
免疫原性細胞死
,
腫瘍免疫
,
頭頸部がん
Keyword:
がん
,
近赤外光線免疫療法(NIR-PIT)
,
免疫原性細胞死
,
腫瘍免疫
,
頭頸部がん
pp.688-691
発行日 2025年5月24日
Published Date 2025/5/24
DOI https://doi.org/10.32118/ayu293080688
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がん治療の主な目的は,体内に存在するがん細胞をできるだけ減少させることにある.しかし,がん細胞を完全に除去または死滅させることができない場合,がんを完治させるためには,がんに対する免疫をしっかりと活性化させることが必要である.現在のところ,従来のがん治療において,がん細胞の減少とがん免疫の強化を同時に達成できる治療法は存在しない.この課題を克服するために,筆者らは近赤外光線免疫療法(NIR-PIT)を開発した.この療法は,抗体と光吸収物質を利用してがん細胞を選択的かつ短時間で破壊する技術である.さらに,がん細胞は免疫原性細胞死を引き起こしながら破壊される.本稿では,NIR-PITにおける免疫誘導と活性化のメカニズムについて解説し,さらなる応用に関しても考察する.

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