検査法の基礎理論 なぜこうなるの?
ラテックス近赤外比濁法
庭野 明子
1
,
中 甫
1
1三井記念病院中央検査部
pp.1021-1026
発行日 1985年12月1日
Published Date 1985/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543203516
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
臨床検査における微量成分の定量には,従来からradioimmunoassay法(RIA),enzyme immunoassay法(EIA)などが用いられている.しかし,RIAは検出感度が高い反面,放射性同位元素(RI)を使用することから数々の制約がある.これに対してRIを用いないEIA1)が開発されたが,操作性,所要時間,正確度などに問題が残されている.
ラテックス凝集反応は,ラテックス粒子を担体とし,抗体(または抗原)を結合させ,それらに対応する抗原(または抗体)との凝集の有無から抗原(または抗体)を検出しようとするものであり,1956年SingerとPlotz2)がリウマチ因子の検出に応用したのが始まりである.その後,妊娠反応,線維素分解産物(FDP)などにも応用されたが,これらはガラス板上で行われ,凝集の有無を肉眼的に判定するため,非常に高い感度を持ちながら一般に(+)か(-)かを判定する定性的なものであり,定量的に用いても凝集終末点の段階的検出のため,半定量にすぎなかった.
Copyright © 1985, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.