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第1土曜特集 抗体医薬の進歩と課題
臨床における最新動向
近赤外光線免疫療法
-――近赤外光感受性ADCとしての薬剤デザインを中心に
Light-activatable antibody-drug conjugate(ADC)design for near infrared photoimmunotherapy
小林 久隆
1
Hisataka KOBAYASHI
1
1米国国立がん研究所 分子イメージング部門,関西医科大学附属光免疫医学研究所
キーワード:
近赤外光線免疫療法(NIR-PIT)
,
近赤外光感受性抗体薬物複合体(ADC)
,
免疫原性細胞死
,
がん免疫
Keyword:
近赤外光線免疫療法(NIR-PIT)
,
近赤外光感受性抗体薬物複合体(ADC)
,
免疫原性細胞死
,
がん免疫
pp.943-947
発行日 2023年6月3日
Published Date 2023/6/3
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28510943
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がん治療にとって一番の目的は,体の中にあるがん細胞を,病気を起こさないレベルまで減らし維持することである.がん細胞を完全に取りきるか殺しきることができない場合,がんを完治させるためにはがん細胞の再増殖の抑制を目的に,がんに対する免疫をしっかり起動する必要がある.既存のがん治療でがん細胞を減らすことと,がん免疫を増強することを両立できる治療法は今のところ存在しない.そのため筆者らは,近赤外光線免疫療法(NIR-PIT)を開発した.NIR-PITは,抗体と光吸収物質を用いて光を照射した範囲のみ選択的に,かつ短時間でがん細胞を破壊できる治療法であり,がん細胞は免疫原性細胞死を起こして破壊される.本稿ではNIR-PITのデザイン,特に近赤外光感受性抗体薬物複合体(ADC)ともいえる抗体医薬の剤型を中心に解説する.
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