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特集 レーザー医学の最前線――知られざる現状とその新展開
低出力レーザーによる痛みの治療
Pain treatment with low-level laser therapy
濱口 眞輔
1
Shinsuke HAMAGUCHI
1
1獨協医科大学医学部麻酔科学講座
キーワード:
低出力レーザー治療(LLLT)
,
痛み
,
慢性疼痛
,
ガイドライン
Keyword:
低出力レーザー治療(LLLT)
,
痛み
,
慢性疼痛
,
ガイドライン
pp.675-678
発行日 2025年5月24日
Published Date 2025/5/24
DOI https://doi.org/10.32118/ayu293080675
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低出力レーザー治療(LLLT)は神経伝達抑制作用,抗炎症作用,創傷治癒作用,下行性痛覚抑制系の賦活化,血流改善作用などの温熱治療器とは異なる治療効果を示し,ポイント照射,神経照射,星状神経節照射などの照射が有効とされている.LLLTは重篤な有害事象が少ないため,合併症を有する患者の腰部脊柱管狭窄症,変形性頸椎症,変形性腰椎症,筋筋膜性疼痛,変形性膝関節症,脊椎術後疼痛症候群などの痛みの緩和に有用である.特に変形性膝関節症や急性頸部痛の症状緩和に有用であるが,筋筋膜性疼痛,非特異的腰痛,慢性疼痛全般に対するランダム化比較試験(RCT)では質の高い系統的レビューが少ない.そのため,変形性膝関節症を除く慢性疼痛の治療手段として国内外のガイドラインにおいても高い推奨を得ていないのが現状であり,今後の有益な研究報告が待たれている.

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