特集 物理療法の鎮痛作用
低出力レーザー治療の鎮痛メカニズムと臨床応用
杉元 雅晴
1
,
出口 清喜
2
Masaharu Sugimoto
1
1富山県高志リハビリテーション病院理学療法科
2金沢大学医学部附属病院
pp.167-176
発行日 2004年3月1日
Published Date 2004/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551100434
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Plogが1973年にヘリウムネオンレーザーによる神経刺激を提唱し,疼痛治療が1979年から開始された.本邦でも大城が1980年に胸部の赤アザ(血管腫)に対してアルゴンレーザーで治療し,同部位に合併していた肋間神経痛も緩和させた.この経験を通じて疼痛緩解器の開発に着手し,小型の半導体レーザー治療器を開発した.白戸,大城ら1)により3,635名に及ぶ治療効果が報告された.
急性疼痛は傷害から組織を守るために発せられる生体の警告信号であり,必要不可欠な反応である.それゆえ,組織の損傷時に生じる疼痛は正常な反応である.ところが,組織損傷が治癒しているにもかかわらず疼痛を生じることがあり,行為障害を引き起こすことがある.このような疼痛には組織損傷時に生じる疼痛とは別のメカニズムが関与していることが指摘されている.そこで,疼痛を分類し,現在まで解明されてきているメカニズムを根底におき,低出力レーザーが作用しうる状況を述べる.
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