Japanese
English
特集 レーザー医学の最前線――知られざる現状とその新展開
皮膚科,形成外科領域のレーザー治療
Laser treatment in dermatology and plastic surgery
河野 太郎
1
Taro KONO
1
1東海大学医学部外科学系形成外科学
キーワード:
熱緩和時間
,
応力緩和時間
,
フラクショナルレーザー
,
ピコ秒レーザー
,
ロングパルスレーザー
Keyword:
熱緩和時間
,
応力緩和時間
,
フラクショナルレーザー
,
ピコ秒レーザー
,
ロングパルスレーザー
pp.670-674
発行日 2025年5月24日
Published Date 2025/5/24
DOI https://doi.org/10.32118/ayu293080670
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
レーザーを生体に照射すると,吸収されたエネルギーで多種多様の相互作用が生じる.標的器官がレーザーで熱せられ,周囲の熱容量や熱伝導率に応じて生体組織内の温度分布が変化するのが光熱作用である.照射時間が短くなるに従い,非熱作用である光機械的作用が強くなってくる.吸収されたレーザーのエネルギーにより,最初に熱が発生する.照射時間が短い高いピークパワーのレーザー照射後には,熱膨張することで周囲と異なる密度分布が生じ,光機械的作用である光音響波が発生する.皮膚科・形成外科領域のレーザー治療(血管病変,脱毛,色素性疾患,腫瘤,瘢痕治療など)は,主に光熱作用と光機械的作用を用いている.皮膚科・形成外科領域のレーザー治療の特殊な照射法として,フラクショナルレーザー治療がある.本法は,小口径のレーザーを隙間をあけて照射する方法であり,ダウンタイムや合併症が少なく,効果的な治療が可能である.

Copyright © 2025 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.