Japanese
English
第1土曜特集 成人先天性心疾患――各国のガイドラインに学ぶ
成人先天性心疾患特有の諸問題
不整脈治療
Treatments for arrhythmia
宮﨑 文
1
Aya MIYAZAKI
1
1総合病院聖隷浜松病院成人先天性心疾患科・小児循環器科
キーワード:
先天性心疾患(CHD)
,
抗不整脈薬
,
カテーテルアブレーション
,
植込み型心臓電気デバイス(CIEDs)
Keyword:
先天性心疾患(CHD)
,
抗不整脈薬
,
カテーテルアブレーション
,
植込み型心臓電気デバイス(CIEDs)
pp.438-458
発行日 2025年5月3日
Published Date 2025/5/3
DOI https://doi.org/10.32118/ayu293050438
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
先天性心疾患(CHD)の不整脈の発生率,種類,重症度は基礎疾患の複雑性によって異なり,さらに各疾患で不整脈発症のリスク,発症しうる不整脈の種類は異なる.このような特徴を持つCHDの不整脈治療にあたっては,基礎疾患の複雑性,解剖,循環動態を理解することが重要となる.そのため,中等度以上の複雑性を持つ成人先天性心疾患(ACHD)患者のカテーテルアブレーションを含む不整脈治療は,ACHDの専門施設で,ACHDの専門知識を有する医師によって施行されることが望まれる.CHDであっても,不整脈治療は抗不整脈薬,カテーテルアブレーション,植込み型心臓電気デバイス(CIEDs)が3本柱であることに変わりないが,複雑性が上がれば上がるほど,抗不整脈薬,カテーテルアブレーション,CIEDs単独での治療は困難となり,これらを併用した治療が必要となる.各ガイドラインにおいても,疾患の複雑性や解剖,CHDに特徴的な不整脈により,抗不整脈薬の選択,カテーテルアブレーション・CIEDsの適応は異なる.しかし,疾患が多岐にわたるうえ,一般成人と比較して症例数は少なく,ランダム化前向き研究が少ないためエビデンスレベルが低く,推奨クラスは比較的低いものが多い.

Copyright © 2025 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.