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第1土曜特集 成人先天性心疾患――各国のガイドラインに学ぶ
成人先天性心疾患特有の諸問題
心不全治療
Management of heart failure in adult congenital heart disease
石北 綾子
1
,
坂本 一郎
1
Ayako ISHIKITA
1
,
Ichiro SAKAMOTO
1
1九州大学病院循環器内科
キーワード:
GDMT(ガイドラインに基づく標準治療)
,
大規模臨床試験
,
右心不全
,
フォンタン循環
,
生活管理
Keyword:
GDMT(ガイドラインに基づく標準治療)
,
大規模臨床試験
,
右心不全
,
フォンタン循環
,
生活管理
pp.432-437
発行日 2025年5月3日
Published Date 2025/5/3
DOI https://doi.org/10.32118/ayu293050432
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成人先天性心疾患(ACHD)に伴う心不全は生活の質や予後に関与している.また,壮年期ACHD患者の増加により,今後,心不全管理の必要性は増加すると予測される.ACHDに伴う心不全は,右心不全が多い,解剖学的右室が体心室を担っている症例がある,フォンタン循環であるなど,一般の心不全と異なった特徴を示す.そのため,心不全薬物治療における大規模臨床試験にはACHD症例が含まれていないことが多い.また,ACHDに伴う心不全の薬物治療に特化した大規模臨床試験は存在しない.そのため,2025年の日本循環器学会「成人先天性心疾患診療ガイドライン」を含め,2018年の米国心臓病協会(AHA)/米国心臓病学会(ACC),2020年の欧州心臓病学会(ESC)からのACHD診療ガイドラインのいずれもが,構造的な異常や不整脈に対する介入を行った後に残存するACHDに伴う心不全に対しては,一般的なGDMT(ガイドラインに基づく標準治療)に準じて治療するべきとしている.GDMTの背景とACHDに伴う心不全の特徴を理解し,個々の病態に応じて薬物治療を選択していく必要がある.

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