特集 ウイルス感染とその合併症――「風邪は万病のもと」を考える
3.自己免疫疾患,関節炎
楠原 浩一
1
1産業医科大学小児科
キーワード:
ウイルス
,
自己免疫疾患
,
関節炎
,
関節痛
,
自己抗原
Keyword:
ウイルス
,
自己免疫疾患
,
関節炎
,
関節痛
,
自己抗原
pp.1441-1450
発行日 2021年11月1日
Published Date 2021/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000001966
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ウイルス感染症の経過中またはウイルス感染後に自己免疫疾患や関節炎を発症し得ることは従来から知られている.ウイルス感染と自己免疫疾患の因果関係については,動物モデルではある程度明らかにされているが,ヒトにおいてはまだ解明されていない部分が多い.自己免疫疾患は,自己抗原に反応するリンパ球が免疫学的寛容から逸脱して活性化することにより発症する.ウイルスは,この過程において重要な役割を果たしていると考えられており,そのメカニズムとして分子相同性,バイスタンダー活性化,エピトープ拡大などが提唱されている.ウイルス感染症に合併する関節炎には,主に免疫複合体の沈着が関与していると考えられている.
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