Japanese
English
連載 自己指向性免疫学の新展開――生体防御における自己認識の功罪・Vol.12
細胞内核酸センサー経路の異常活性化を起因とする自己炎症性疾患
Autoinflammatory diseases caused by hyperactivation of intracellular nucleic acid sensor pathways
佐々木 泉
1
,
改正 恒康
1
Izumi SASAKI
1
,
Tsuneyasu KAISHO
1
1和歌山県立医科大学先端医学研究所生体調節機構研究部
キーワード:
自己炎症性疾患
,
COPA症候群
,
cGAS-STING経路
Keyword:
自己炎症性疾患
,
COPA症候群
,
cGAS-STING経路
pp.157-161
発行日 2024年10月12日
Published Date 2024/10/12
DOI https://doi.org/10.32118/ayu291020157
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
SUMMARY
自己炎症性疾患は,主に自然免疫系が過剰に活性化されることにより,さまざまな組織や臓器に炎症が生じる遺伝性の疾患群である.近年,遺伝子解析技術の発展により,自己炎症性疾患の原因遺伝子変異(バリアント)が相次いで同定され,自然免疫を制御する新規の分子基盤がわかってきている.筆者らは,細胞内タンパク質の輸送を担う機能分子COPAの遺伝子バリアントによって生じる自己炎症性疾患(COPA症候群)のモデルマウスを作製,解析することにより,細胞内核酸センサー経路がCOPAにより制御されていることを明らかにした.ここでは,疾患モデルマウスの知見を中心に,COPAの遺伝子バリアントによって生じる自己炎症性疾患の病態について概説する.
Copyright © 2024 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.