Japanese
English
第5土曜特集 脳科学研究が推進する うつ病の病態・診断・治療の発展
病態
うつ病の炎症仮説
Inflammation hypothesis of depression
岩田 正明
1
Masaaki IWATA
1
1鳥取大学医学部脳神経医科学講座精神行動医学分野
キーワード:
うつ病
,
ストレス
,
炎症
,
サイトカイン
,
腸内細菌
Keyword:
うつ病
,
ストレス
,
炎症
,
サイトカイン
,
腸内細菌
pp.1047-1054
発行日 2025年3月29日
Published Date 2025/3/29
DOI https://doi.org/10.32118/ayu292131047
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うつ病は,主に社会的なストレスによって引き起こされる.うつ病患者の脳では,ニューロンの萎縮やスパイン,シナプス数の減少といった神経障害が認められており,これらはストレスによる影響と考えられている.さらに,神経障害の一因として炎症の関与が示唆されている.動物実験では,ストレスが脳内で炎症を引き起こすことが確認されており,薬理学的にこの炎症を抑制すると,神経障害が軽減され,うつ病様の行動変化が改善することが明らかになっている.また,末梢の炎症もうつ病の発症に関与していると考えられており,慢性炎症性疾患を持つ患者では,うつ病の併発率が高いことが知られている.加えて,うつ病患者の腸内細菌叢が炎症促進型に偏っていることも示されている.これらの知見を踏まえ,現在,炎症を抑制する薬剤の抗うつ薬としての開発が進められており,将来的には炎症をターゲットにした新たな抗うつ薬の登場が期待されている.

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