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第5土曜特集 脳科学研究が推進する うつ病の病態・診断・治療の発展
病態
うつ病の神経可塑性仮説
-――海馬の組織学的変化を中心に
Neuroplasticity hypothesis of depression
森信 繁
1
Shigeru MORINOBU
1
1広島国際大学健康科学部心理学科
キーワード:
うつ病
,
神経可塑性
,
海馬
,
脳由来神経栄養因子(BDNF)
,
TrkB受容体
Keyword:
うつ病
,
神経可塑性
,
海馬
,
脳由来神経栄養因子(BDNF)
,
TrkB受容体
pp.1036-1040
発行日 2025年3月29日
Published Date 2025/3/29
DOI https://doi.org/10.32118/ayu292131036
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うつ病の病態メカニズムについて未解明の点は多々あるが,脳由来神経栄養因子(BDNF)を介した神経可塑性仮説は有力な病態仮説のひとつである.うつ病の病態解明を目的に行われた,齧歯類を用いたストレス研究や,ヒト死後脳を対象とした臨床研究から,うつ病の病態にneuropilの減少という組織学的変化が関与していることが明らかになってきた.また,抗うつ薬の作用機序に関する研究から,BDNF発現の増大とその受容体TrkBを介した細胞内情報系の促進によって,ストレスで変性していた神経細胞のリモデリングが行われる機序も解明されつつある.本稿では,うつ病の病態に関与すると考えられる海馬の組織学的研究結果を振り返ると同時に,うつ病の病態に関与すると考えられている組織学的変化に対する抗うつ薬の修復メカニズムについて,BDNF-TrkB-mTORC1情報系の役割を紹介する.

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