Japanese
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特集 うつ病のバイオマーカー開発の試み
炎症性バイオマーカー—うつ病における活用の可能性
Inflammatory Biomarkers : Potential for Utilisation in Depression
岩田 正明
1
Masaaki Iwata
1
1鳥取大学医学部脳神経医科学講座精神行動医学分野
1Division of Neuropsychiatry, Faculty of Medicine, Tottori University, Tottori, Japan
キーワード:
うつ病
,
depression
,
炎症
,
inflammation
,
バイオマーカー
,
biomarkers
Keyword:
うつ病
,
depression
,
炎症
,
inflammation
,
バイオマーカー
,
biomarkers
pp.145-150
発行日 2024年2月15日
Published Date 2024/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405207187
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抄録
うつ病患者のなかに「炎症反応」が高い一群が存在することは確かである。ところが,双極症でも統合失調症でも,炎症反応が高い患者は存在する。さらに言えば,多くの身体疾患で炎症が生じる。これらの事実から,炎症性物質がうつ病のシンプルなバイオマーカーにはなりえないことは明らかである。しかしながら,カテゴリカルにうつ病と診断した上で,さらにその下位分類として炎症が関与する一群を見出すには,炎症性バイオマーカーは役立つであろう。このような炎症性バイオマーカーを見出すことは,治療反応性を予測し,より効率的に治癒に結び付けることを可能とするかもしれない。本稿では,うつ病における炎症性バイオマーカーの意義と,それが秘める可能性について考察する。
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