Japanese
English
第5土曜特集 脳科学研究が推進する うつ病の病態・診断・治療の発展
病態
うつ病の内分泌的研究
-――コルチゾールを中心に
Endocrine studies in depression
――Focusing on cortisol
中川 伸
1
Shin NAKAGAWA
1
1山口大学大学院医学系研究科高次脳機能病態学講座
キーワード:
うつ病
,
グルココルチコイド
,
視床下部–下垂体–副腎系(HPA系)
,
海馬
Keyword:
うつ病
,
グルココルチコイド
,
視床下部–下垂体–副腎系(HPA系)
,
海馬
pp.1025-1028
発行日 2025年3月29日
Published Date 2025/3/29
DOI https://doi.org/10.32118/ayu292131025
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うつ病は持続的なストレスによって脳が疲弊した状態と考えられる.ストレスは環境要因を個人のパーソナリティを通して認知した結果に生じるものであり,Selyeはストレス反応における視床下部–下垂体–副腎系(HPA系)の重要性を指摘した.HPA系はコルチゾールの分泌を調節し,ストレスへの適応に関与する.HPA系の過活動が続くと,海馬を含む脳領域に影響を及ぼし,うつ病の発症につながると考えられている.実際に,うつ病患者ではHPA系の異常が観察され,海馬の体積減少やコルチゾールの分泌異常が報告されている.また,HPA系の調節に関わる遺伝子の変異がうつ病の脆弱性と関連することも示唆されている.デキサメタゾン抑制試験(DST)などがHPA系機能の評価に用いられてきたが,診断や治療への応用は十分に進んでいない.さらに,幼少期のトラウマが成人期のHPA系活動に影響を及ぼす可能性も指摘されており,うつ病の発症リスクに関与すると考えられる.

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