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特集 うつ病のバイオマーカー開発の試み
うつ病における視床下部-下垂体-副腎系のバイオマーカー
Biomarkers of Hypothalamic-Pituitary-Adrenal Axis in Depressive Disorder
功刀 浩
1,2
Hiroshi Kunugi
1,2
1帝京大学医学部精神神経科学講座
2国立精神・神経医療研究センター神経研究所疾病研究第三部
1Department of Psychiatry, Teikyo University School of Medicine, Tokyo, Japan
2Department of Mental Disorder Research, Natinal Institute of Neuroscience, National Center of Neurology and Psychiatry
キーワード:
うつ病
,
depression
,
視床下部-下垂体-副腎系
,
hypothalamic-pituitary-adrenal axis
,
グルココルチコイド
,
glucocorticoid
,
FKBP5
Keyword:
うつ病
,
depression
,
視床下部-下垂体-副腎系
,
hypothalamic-pituitary-adrenal axis
,
グルココルチコイド
,
glucocorticoid
,
FKBP5
pp.151-155
発行日 2024年2月15日
Published Date 2024/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405207188
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抄録
うつ病は慢性的なストレスを誘因として発症することが多く,ストレス応答において重要な働きを担う視床下部-下垂体-副腎系(HPA系)の指標について,多くの研究がなされてきた。古くからHPA系の負のフィードバック障害をみるデキサメタゾン(DEX)抑制テストやDEX/CRH(コルチコトロピン放出ホルモン)テストにおいてコルチゾールの非抑制をみる方法が検討されてきたが,日常診療で診断に用いるには至っていない。また,HPA系は亢進していても,過剰に抑制されている場合でもうつ病/うつ症状を呈することもあり,診断マーカーに用いるのは困難であるが,病態の亜型分類に用いられる可能性はある。また,HPA系の機能に影響を与えるFKBP5(グルココルチコイド受容体のシャペロン分子)の遺伝子多型はうつ病や抗うつ薬の反応性と関連することが指摘されており,今後のさらなる検討が期待される。
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