Japanese
English
特集 うつ病のニューロモデュレーション治療の新展開
うつ病への迷走神経刺激(VNS)療法
Depression and Vagus Nerve Stimulation(VNS)
渡邊 さつき
1
,
松尾 幸治
1
Satsuki Watanabe
1
,
Koji Matsuo
1
1埼玉医科大学医学部精神医学
1Department of Psychiatry, Faculty of Medicine, Saitama Medical University, Saitama, Japan
キーワード:
迷走神経刺激
,
vagus nerve stimulation
,
VNS
,
難治性うつ病
,
refractory depression
,
迷走神経
,
vagus nerve
,
神経可塑性
,
neuroplasticity
,
海馬
,
hippocampus
,
モノアミン
,
monoamine
Keyword:
迷走神経刺激
,
vagus nerve stimulation
,
VNS
,
難治性うつ病
,
refractory depression
,
迷走神経
,
vagus nerve
,
神経可塑性
,
neuroplasticity
,
海馬
,
hippocampus
,
モノアミン
,
monoamine
pp.1817-1823
発行日 2021年12月15日
Published Date 2021/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405206515
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抄録 迷走神経刺激(vagus nerve stimulation:VNS)は,左頸部の迷走神経にコイル状の刺激電極を巻き付け,定期的な電気刺激を行う治療法である。VNSが最初に適応されたのはてんかんであった。やがて,てんかん患者の抑うつ症状に効果があることが報告されるようになり,諸外国では難治性うつ病へと適応が広がった。米国の5年間の長期追跡調査では,うつ病の寛解率はVNS追加群で43.4%,従来治療群で25.7%と,VNSを行った群で有意に高いことが示された。最近,非侵襲的な経皮的VNSについても研究が始められており,今後の発展が期待される。VNSがうつ病に効果を示すメカニズムについては,モノアミン仮説や神経可塑性仮説などがあるが,いまだに明らかにはなっていない。
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