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第1土曜特集 神経変性疾患の分子病態解明と治療法開発
研究開発手法の最前線
神経・筋疾患に応用可能なさまざまなゲノム解析手法
New genome technologies for understanding neurological and muscular diseases
石浦 浩之
1
Hiroyuki ISHIURA
1
1岡山大学学術研究院医歯薬学域脳神経内科学
キーワード:
ショートリード解析
,
ロングリード解析
,
シングルセル解析
,
シングル核解析
,
オミクス解析
Keyword:
ショートリード解析
,
ロングリード解析
,
シングルセル解析
,
シングル核解析
,
オミクス解析
pp.774-778
発行日 2025年3月1日
Published Date 2025/3/1
DOI https://doi.org/10.32118/ayu292090774
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近年,ゲノム解析技術は飛躍的に進歩している.DNA解析による患者の診断にとどまらず,患者の診断に有用なツールも充実してきている.また,ショートリード解析だけではなく,ロングリード解析の登場により,従来,解読困難であった領域の解読も進み,ヒト完全ゲノムも公表された.これらの解析手法を用いることで,RNA情報(トランスクリプトーム解析),DNA修飾(バイサルファイトシーケンシングなど)やヒストン・クロマチン情報(ChIP-seq,ATAC-seqなど)を含めてさまざまな情報が得られるようになっている.特定の細胞種で生じている事象を観察するためのシングルセル解析,シングル核解析も実用化され,データベースの充実化が進んでいる.しかし,これらの手法をもってしても神経・筋疾患の理解には不十分な点が多く,これらのデータベースからのデータマイニングなどは,今後の重要な基盤的な手法になるであろう.また,健常人やcommon diseaseを対象としたデータベースを,どのようにrare diseaseの分析に応用していくかについても課題であると考えられる.

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