Japanese
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特集 未病の科学
Ⅱ.未病の実験研究
シングルセルとゲノムの統合解析
Integrated analysis of single-cell and genetic data
枝廣 龍哉
1,2
,
岡田 随象
1,3,4
Edahiro Ryuya
1,2
,
Okada Yukinori
1,3,4
1大阪大学大学院医学系研究科遺伝統計学
2大阪大学大学院医学系研究科呼吸器・免疫内科学
3東京大学大学院医学系研究科遺伝情報学
4理化学研究所生命医科学研究センターシステム遺伝学チーム
キーワード:
シングルセル解析
,
ゲノムワイド関連解析
,
GWAS
,
expression quantitative trait locus
,
eQTL
Keyword:
シングルセル解析
,
ゲノムワイド関連解析
,
GWAS
,
expression quantitative trait locus
,
eQTL
pp.134-137
発行日 2023年4月15日
Published Date 2023/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425201658
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シングルセル解析は,細胞群に含まれる情報を1細胞レベルでプロファイリングを行う技術である。従来の解析手法(バルク解析)では細胞集団全体を対象としていることにより,得られた結果は細胞集団の平均的状態を示していた。シングルセル解析を用いることで,組織の細胞内不均一性,細胞分化の方向性を解析することが可能であり,バルク解析と比較してより詳細かつ複雑な細胞分析が可能となった。シングルセル解析のなかでも,トランスクリプトーム解析(scRNA-seq)が最もよく普及しているが,scRNA-seqを用いた遺伝子多型の遺伝子発現量を関連づけるexpression quantitative trait locus(eQTL)解析が相次いで報告されている。本稿では,シングルセル解析,疾患感受性多型を同定する手法であるゲノムワイド関連解析(genome-wide association study;GWAS),eQTL解析について説明したうえで,COVID-19における実際の解析例を紹介する。
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