Japanese
English
特集 治る,予防できる脳神経疾患――現状と将来
運動ニューロン疾患発症予防に向けた創薬開発
Prophylactic therapeutics development for motor neuron diseases
佐橋 健太郎
1
,
勝野 雅央
1
Kentaro SAHASHI
1
,
Masahisa KATSUNO
1
1名古屋大学大学院医学系研究科神経内科学
キーワード:
運動ニューロン疾患
,
脊髄性筋萎縮症(SMA)
,
筋萎縮性側索硬化症(ALS)
,
核酸医薬
,
RNA
Keyword:
運動ニューロン疾患
,
脊髄性筋萎縮症(SMA)
,
筋萎縮性側索硬化症(ALS)
,
核酸医薬
,
RNA
pp.892-897
発行日 2024年6月22日
Published Date 2024/6/22
DOI https://doi.org/10.32118/ayu289120892
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神経難病では原因遺伝子やタンパク質の解明が進んでいる.また,科学技術の革新により,病態関連遺伝子や遺伝子産物に対して生体内アプローチ可能なツールが治療活用されている.核酸医薬,ゲノム編集治療も含めた遺伝子治療,抗体医薬を筆頭とする標的治療の開発が進行中である.運動ニューロン疾患である脊髄性筋萎縮症(SMA)はSMN1遺伝子欠失を原因とし,多くが乳幼児に発症する進行性筋萎縮により予後不良の疾患である.SMAにおいて標的タンパク質発現を回復させる核酸医薬や低分子化合物によるRNA治療や,ウイルスベクターによる遺伝子治療が開発された.治験では特に発症前乳児に対して高い臨床効果が示され,一部で正常運動発達も確認されており,続く実臨床における成功が神経難病治療や発症予防のロールモデルとなっている.運動ニューロン疾患である筋萎縮性側索硬化症(ALS)に対する核酸医薬の開発も進められており,研究成果の社会実装が加速されている.
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