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第1土曜特集 神経変性疾患の分子病態解明と治療法開発
疾患別の最新研究
進化する球脊髄性筋萎縮症の研究
-――病態解明と革新的治療法の実現へ
Research on spinal and bulbar muscular atrophy(SBMA)
――Towards a better understanding of the pathology and innovative therapies
飯田 円
1
Madoka IIDA
1
1名古屋大学大学院医学系研究科神経内科学
キーワード:
神経筋疾患
,
アンドロゲン受容体(AR)
,
リュープロレリン
,
バイオマーカー
Keyword:
神経筋疾患
,
アンドロゲン受容体(AR)
,
リュープロレリン
,
バイオマーカー
pp.723-729
発行日 2025年3月1日
Published Date 2025/3/1
DOI https://doi.org/10.32118/ayu292090723
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球脊髄性筋萎縮症(SBMA)は,アンドロゲン受容体(AR)遺伝子であるARのCAGリピート配列が異常に伸長することで発症する進行性の神経筋疾患であり,男性のみにみられる.主な症状は,四肢の筋力低下,球麻痺,嚥下障害である.テストステロン依存性の病態に基づきホルモン抑制療法が開発されており,病態の進行抑制に効果を示している.近年,SBMAの筋原性病態についての理解が深まり,運動ニューロンや骨格筋以外の病態も明らかになりつつある.また,ARの発現を抑制する治療や制御因子を標的とした治療,ミトコンドリア機能障害へのアプローチ,Na電流異常に対する治療薬の開発も進んでいる.さらに,ロボットスーツHAL®による運動療法も注目されている.疾患進行をモニタリングするためのバイオマーカーの開発が進展し,臨床試験の効率化が期待されている.

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