特集 神経疾患の現在とこれから
診療の最前線
球脊髄性筋萎縮症
橋詰 淳
1
,
祖父江 元
1
,
勝野 雅央
1
1名古屋大学大学院医学系研究科神経内科学
キーワード:
球脊髄性筋萎縮症
,
ポリグルタミン病
,
leuprorelin acetate
,
疾患修飾療法
Keyword:
球脊髄性筋萎縮症
,
ポリグルタミン病
,
leuprorelin acetate
,
疾患修飾療法
pp.1259-1261
発行日 2019年6月1日
Published Date 2019/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika123_1259
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Summary
▪球脊髄性筋萎縮症(SBMA)は,アンドロゲン受容体遺伝子上のCAG繰り返し配列の異常延長を特徴とするポリグルタミン病である.
▪異常アンドロゲン受容体蛋白質が運動ニューロンの細胞核に蓄積することで,緩徐な運動ニューロンの神経変性を生じる.
▪テストステロン依存性の変異蛋白質の核内移行がSBMAの病態の本幹であり,テストステロンを抑制することはSBMAの治療につながるということが,動物モデルに対する基礎的研究で明らかになった.
▪医師主導治験の結果,2017年8月にLH-RHアナログであるleuprorelin acetateの効能に「球脊髄性筋萎縮症の進行抑制」が追加された.
▪真のエンドポイント(死亡や死亡関連イベント)に関する十分なエビデンスを構築するため,疾患登録システム(患者レジストリ)にデータの蓄積を開始している.
© Nankodo Co., Ltd., 2019