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Magee1)は1960年家族性に発現し,成人発症で,慢性経過を示す球脊髄性筋萎縮症を報告し,従来からの筋萎縮性側索硬化症とは別の群として進行性脊髄性筋萎縮症のグループがあることを指摘した。これらの症例では剖検により脊髄領域の前角細胞,三叉神経核,疑核,顔面,舌下神経核の運動ニューロンの慢性的な変性過程があることが示された。その後Kennedyら2)(1968)によってB家系,G家系という2家系の症例が検討された。これらの症例では伴性劣性の遺伝形式をとり,中年発症で球,脊髄性の筋萎縮,筋力低下を主体とし,近位部により著明で線維束攣縮が広汎にみられ,ことに口唇や顎の部分によくみられ,錐体路徴候,小脳症候や知覚障害を欠くという臨床症候を呈し,経過は緩徐に進行性であるが,ほぼ正常な日常生活を営むことができるなどの臨床特徴がみられ,下位運動ニューロン疾患の新しい一つのタイプとして注目された。これに引き続きさらにStefanisら3)(1975),Ringe1ら4)(1978)により同様な家系や症例が報告された。わが国においては川原5)が1897年進行性延髄麻痺の血族的発生として兄弟にみられた2症例を報告しているが,この家系は本文にも述べてあるように最近にいたり,筆者らによって再調査の結果,その後の代の家系員に球脊髄性筋萎縮症の発症がみられており,したがってこの家系は川原によって報告された症例を含めてこのカテゴリーに入るものと考えられる。
Abstract
Thirty nine cases of bulbar spinal muscular atrophy were examined and their clinical features were summarized.
Sex linked recessive inheritance was observed in 25 cases of this disease. Remaining 14 cases showed no inheritance. Detailed investigations of the cases considered as a sporadic case revealed the familial occurrence, therefore it was strongly suggested that this disease is considered to be essentially the inherited disorders.
Age of onset was 20 to 30 years of age. Cases observed were all male patients.
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