連載 ケースから学ぶ臨床倫理推論・1
応招義務
勝碕 静香
1
Shizuka KATSUZAKI
1
1東京大学医学部附属病院患者相談・臨床倫理センター
キーワード:
応招義務
,
迷惑行為
,
診療拒否
Keyword:
応招義務
,
迷惑行為
,
診療拒否
pp.593-598
発行日 2025年2月15日
Published Date 2025/2/15
DOI https://doi.org/10.32118/ayu292070593
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Case 医療費の不払い
患者Aは60代の男性で,無職であり住所も定まっていない路上生活者の状態である.過去に地域の基幹病院であるB病院の救急外来を何度か受診し,その度に医療費を支払わないまま離院していた.今回は路上で倒れて意識がないところを発見され救急車でB病院に搬送されてきた.緊急で診察治療の必要な状態である.親族など連絡の取れる人はいない.
救急外来の複数のスタッフが救急科のC医師に対して「この患者の診療は医療費の不払いを理由に断るべきなのではないか」と意見を述べている.C医師はどのように考えたらよいだろうか.
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