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特集 PICS(集中治療後症候群)――ICU退室後に生じる身体・精神・認知機能障害
PICS-p(pediatrics,小児集中治療後症候群)
Post intensive care syndrome in children
成相 諒子
1
,
壷井 伯彦
1
Ryoko NARIAI
1
,
Norihiko TSUBOI
1
1国立成育医療研究センター手術・集中治療部集中治療科
キーワード:
PICS-p(小児集中治療後症候群)
,
PICU(小児集中治療室)
,
QOL
Keyword:
PICS-p(小児集中治療後症候群)
,
PICU(小児集中治療室)
,
QOL
pp.496-501
発行日 2025年2月8日
Published Date 2025/2/8
DOI https://doi.org/10.32118/ayu292060496
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小児集中治療でも,重症患者の集約化により救命率が向上した一方で,生存退室患者の機能障害であるPICS-p(小児集中治療後症候群)が問題となっている.PICS-pは,①小児は成長発達段階にあること,②家族が生活の単位であること,③身体機能,認知機能,メンタルヘルス,社会生活の4つのドメインが相互に関連すること,④多様な回復過程をとることが特徴である.4つのドメインの機能障害,および家族やきょうだいのPICS-pに関しては,わが国からの報告は少ない.また,用いる評価スコアやフォローアップ期間によって大きくばらつきのある結果が出ており,今後の知見の集積が待たれる.高い重症度,臓器障害の存在,長期ICU(集中治療室)入室,低年齢は,退室後の機能障害の高リスクと考えられる.ABCDEFGHバンドルの実践や,PANDEMガイドラインに沿った診療などが,長期的アウトカムの改善につながる可能性がある.
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