Japanese
English
特集 PICS(集中治療後症候群)――ICU退室後に生じる身体・精神・認知機能障害
PICS-F(family)
Post-intensive care syndrome-family
白﨑 加純
1
Kasumi SHIRASAKI
1
1聖路加国際病院救急科・救命救急センター
キーワード:
PICS-F
,
家族ケア
,
精神障害
,
多職種連携
Keyword:
PICS-F
,
家族ケア
,
精神障害
,
多職種連携
pp.491-495
発行日 2025年2月8日
Published Date 2025/2/8
DOI https://doi.org/10.32118/ayu292060491
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
PICS-F(family)は,ICUに入室した患者家族に生じる不安障害,抑うつ,PTSD,複雑性悲嘆などの精神障害を表す概念として,2012年に米国集中治療学会(SCCM)から提唱された.PICS-Fは20~40%の患者家族に生じるとされており,数年もの長期にわたって症状が持続する人もいるとされている.PICS-Fの定められた診断基準や診断時期はなく,治療法もわかっていない.そのため,PICS-F発症リスクのある家族を早期発見し,発症を予防することが重要であるとされている.PICS-Fのリスク因子としては,患者の年齢,重症度,家族の年齢,家族と医療従事者とのコミュニケーション不足,家族のレジリエンスなどが報告されており,リスク因子からPICS-Fの予防につなげる取り組みが行われている.現在のPICS-Fの定義は,ICUに入室した患者家族に生じる精神障害であるとされているが,家族が受ける影響は精神的なものにとどまらず,身体的,社会経済的にも広く長期的な影響を受ける.そのため,医療従事者へのPICS-Fの認知を広め,多職種で連携しながら家族に対する長期的なフォローアップ体制を確立していくことが必要である.
![](/cover/first?img=ayu292060491.png)
Copyright © 2025 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.